アストロの基本(感受点)

前回はサインについて簡単に説明しましたが、感受点とアスペクトについても簡単に説明しておきましょう。今回は感受点です。

占星学で使われる惑星などを感受点と呼びます。惑星と言われることが多いようですが、太陽や月は惑星ではありませんし、それ以外の計算上の位置なども使われるので、それらを総称して感受点と呼ぶわけです。

相場に関する感受点の代表として、水星があります。では、なぜ水星が相場に関する感受点となったのでしょうか?感受点に与えられた意味はギリシャ神話に由来していて、そこから様々な意味が派生しています。

水星は、ギリシャ神話の神々の使者であるヘルメス(マーキュリー)であり、惑星の内で最も速い運行速度を持つ水星から、駿足の神を連想したものといわれています。そして、その符号はヘルメスの持つ魔法の杖で、木の枝に2匹の蛇がからみついた形ともいわれます。この蛇はエデンの園でアダムとイブに知恵の木の実を与えた蛇であり、知識の象徴とのことです。

そして、これらのことから水星は流動性、知識を象徴し、商売や通信、そして相場全般を意味すると考えているわけです。ちなみに、水星の符号は、東京証券取引所の入り口を飾っているらしいのですが、残念ながら私はまだ見ていません。

更に話はそれますが、94年当時、小さい女の子の間ですごくはやっているアニメに、「美少女戦士・セーラームーン」というのがありました。我が家でも長女が大のお気に入りで、セーラームーン・グッズに相当のお金を払わされた記憶があります。このアニメは結構占星学に則って作られており、一緒に見ていてホーッと感心することもしばしばでした。例えば、登場人物のひとり、セーラー・マーキュリーについて見てみると以下のような設定になっています。

  セーラー・マーキュリー
   本名:水野亜美  誕生日:9月10日(乙女座)  血液型:A型
   IQ300の天才少女、水星を守護星に持ち、得意技はシャボンスプレー
   コスチュームはライトブルーのセーラー服、・・・・・

だいぶ、話が横道にそれてしまいましたが、これら意味のほとんども、水星の意味から来ています。ギリシャ神話やセーラームーンは暇なときにでも見ていただくとして、主要感受点の意味について表にまとめてみましょう。

感受点 基本的意味 示される事柄   その他の事柄(ごく一部のみ)
 太陽 生命の与え主 行動の仕方   男性、権力者、勝負師、国家への影響、活力、金、ダイヤ
  月 感受性 情緒のあり方   女性、一般人、住民に対する影響、 人気、銀
 水星 流動性 知性の適性   兄弟、使者、知識人、通信・通商相手、商売、旅行、紙幣・証券、水銀
 金星 妻・財産・愛・芸術   愛情・金銭感覚 資産家、財産、金銭、経済、銅
 火星 積極性 トラブルの原因   年下の男、事業家、軍人、事故、戦争、活動、火、鉄
 木星 保護・発展 処世態度   年長者、外国人、研究、困難の緩和、繁栄・成功、錫
 土星 制限 処世態度   政治家、規律、堅実・安定、不動産、困難、鉛
天王星 変化 物事の見方   思想家、改革、離別、突然の出来事、不安定、ウラン
海王星 見えないもの 物事の感じ方   引退者、インフレ、不透明、あいまい、詐欺、石油、プルトニウム
冥王星 極限 時代の背景   黒幕、始めと終り、大変動、異常事態、根元的改革、強制圧力、原子力

次に、各感受点が支配するサインと有利、不利なサインの一覧です。各感受点は、1つもしくは2つのサインを支配し、そのサインにいるときに最も力を発揮します。また、感受点が有利に働くサインとそうでないサインがあり、以下の通りとなっています。また、感受点はベネフィック(吉星)とマレフィック(凶星)に分けられますので、それも書いておきましょう。

感受点 支配サイン 有利なサイン 不利なサイン 吉星・凶星の別
 太陽 獅子 獅子、牡羊 水瓶、天秤 ベネフィック
  月 蟹 蟹、牡牛 山羊、蠍 ベネフィック
 水星 双子、乙女 双子、乙女 射手、魚 準ベネフィック
 金星 牡牛、天秤 牡牛、天秤 牡羊、蠍、乙女 ベネフィック
 火星 牡羊 牡羊、蠍、山羊 牡牛、天秤、蟹 マレフィック
 木星 射手 射手、魚、蟹 双子、乙女、山羊 ベネフィック
 土星 山羊 山羊、水瓶、天秤 蟹、獅子、牡羊 マレフィック
天王星 水瓶 水瓶、蠍 獅子、牡牛 マレフィック
海王星 魚 魚、水瓶 乙女、獅子 マレフィック
冥王星 蠍 蠍、獅子 牡牛、水瓶 マレフィック

以上の10個の感受点の他にも、ノード(月の昇交点)、アセンダント(東の地平線を上る黄道上の点)、エムシー(南中点)はよく使われますし、セレス、パラス、ジュノー、ベスタ、キローンの5つの小惑星もよく使われます。

これら感受点がどのサインにいて、各感受点どうしがどのようなアスペクトを作っているのか、また各感受点とハウスとの関連などを総合的に判断していくのが西洋占星術のしくみです。

かなり大ざっぱな説明になってしまいましたので、わかりにくいとは思いますが、実践(実占)では、さらにイメージをふくらませることが必要ですし、テクニカル分析(罫線分析)と同じく、経験に頼るしかないでしょう。チョットいい加減ですが、追々説明していけたらと思います。

だいぶ長くなってきましたので、アスペクトは次回にまわしたいと思います。