ギャンのスクエアチャート
今回は20世紀初めの天才相場師、ウィリアム・ギャン(W.D.Gann)とギャンのスクエアチャート(カーディナル・スクエア)について書いてみましょう。ギャンはいわゆる大恐慌の頃の天才相場師ですが、アストロ、数列、聖書、古代神話などにもかなりの知識を持っていて、実際に相場を張るときにこれらの知識を使っていたと言われます。
私も彼に習い、これらを利用してみようと思ったのがアストロを始めるきっかけになったと言ってもよいかもしれません。
とりあえず、百聞は一見に如かず、まずスクエアチャートを書いてみましょう。中心に"1"を置き、スパイラル状に外側へ広げていった数の特定な場所に重きをおくものです。だいたい、下図のようなイメージですが、カーディナルクロス(縦・横の十字ライン=赤い数字)と斜めのライン上の数字(青い数字)を重視します。
だいたいの雰囲気は出ていると思いますが、実例をドル円相場で考えてみましょう。 もともと 1ドルは 1円でしたが、変動相場制以降は360円から始まりました。360は青いラインから-1(誤差1)です。また、戦後の4円25銭から360円になったのは8年目で、スクエア上でもちょうど8周しています。その後も、節目のレートは縦・横・斜めのライン(赤・青のライン)と一致しているか、もしくは誤差1のことが多かったといえますし、最近(95年当時)も、円が100円を突破してから、赤いライン上の96円で、しばらく止まっていました。
スクエアチャートから判断すれば、94年の中心相場である96~101円の値幅はうなずけるものがありますし、現在(95年1月当時)は86円をターゲットに円高に向かっているといえるでしょう。
スクエアチャートを色々な相場の時間や価格にあてはめてみると結構示唆されることが多いと思います。通常、中心の数字には"1"が置かれますが、中心に"0"や"100"を置いたり、また増分を"5"にしたりする例などが、テクニカル分析の本「先物罫線・相場奥の細道」(投資日報社)に紹介されていますので、興味のある方はご覧ください。
何回かに分けてギャンの偉業を紹介していきたいと考えています。今回の締めくくりは、Gannの言葉で・・・
"Every movement in the market is the result of a natural law and of a cause which exists long before the effect takes place and can be determined years in advance."