アストロの基本(アスペクト)
それでは次にアスペクトの概要です。
アスペクトとは感受点どうしの関係を角度で表したもので、メジャー・アスペクト(第1種)とマイナー・アスペクト(第2・3種)とにわけられます。またアスペクトの影響として、イージー(吉)とディフィカルト(凶)にわけることが出来ます。アスペクトの許容度をオーブと呼び、メジャーで5度、マイナーで2~3度と狭く取るのが最近の傾向です。
ひとつ例をあげてみましょう。メジャー・アスペクトのひとつに「トライン」というのがあります。時計の文字盤でいうと4時の形です。つまり、月と冥王星が120度(オーブを含めて、115~125度)になった時に、「月と冥王星がトライン」になっていると呼びます。
それでは一覧表にしてみましょう。
アスペクト名 角度 種別 意味
【メジャー】
コンジャンクション(合) 0度 不定 強調
オポジション(衝) 180度 difficult (hard) 緊張・分離
トライン(三分) 120度 easy (soft) 成功・安定
スクエア(矩) 90度 difficult (hard) 障害・困難
セクスタイル 60度 easy (soft) 好機・調和
【マイナー】
セミセクスタイル 30度 easy (soft) 成長・調和
セミスクエア 45度 difficult (hard) 摩擦・困難
インコンジャンクト 150度 difficult (hard) 摩擦・困難
セスキコードレート 135度 difficult (hard) 圧迫
クインタイル 72度 easy (soft) 風雲・困難
バイクインタイル 144度 easy (soft) 調和
上の表を見てお分かりのように、アスペクトで使われる角度は円を整数で分割したものがほとんどです(2分割=180度、3分割=120度、etc)。 また、アスペクトには強度(重要度)というものがあり、強い順に並べると、0度、180度、90度、120度(90度よりも120度のほうが強いと言う説もある)、60度となります。
次にアスペクトの複合形についてです。
トラインが3つ繋がって三角形を作ると、「グランドトライン」といって、非常に強い好運を表し、スクエアが4つ繋がって四角形を作ると、「グランドクロス」といって、非常に大きな障害を表します。
話は多少それますが、このグランドクロスは結構有名なので聞いたことがある人も多いかと思います。特に1999年8月11日の日食(もしくは、月が蠍座に入る8月17~18日)のグランドクロスは、占星学をよく知らない一般の人を惑わせるのによく利用される(?)配置なので、いい加減な説には気を付けたいものです。
他にも、スクエアが2つつながった物を、「T字スクエア」といって、オポジションの関係をさらに悪化させたアスペクトですし、2つのインコンジャンクトと1つのセクスタイルによって三角形が作られる場合を「ヨード」といって、宿命的に逃れにくい運勢の流れを表します。
「調停」のアスペクトというのもあって、オポジションの関係にある2つの感受点に対して、一方に60度、他方に120度の位置に感受点がある場合、緊張状態を緩和するといわれています。
アスペクトの基本的な見方として、感受点どうしのベネフィックかマレフィックかの組み合わせ、そしてそのアスペクトの種別によって判断するわけですが、アスペクトの判断はあくまでも二次的なものであり、感受点やサインの意味がより重要であることを忘れてはいけません。つまりアスペクトは、サインや感受点によって示される事柄を、イージーにしたり、ディフィカルトにしたりする作用があると考えてよいでしょう。
最後に、ハウスについても簡単に説明しておきましょう。
ハウスというのは、アセンダント(出生時の東の地平線と黄道が交差する点)を基準に一定の計算方法によって天球を12分割したもので、それぞれのハウス(室)が様々な意味を受け持っています。
これも一覧表にしておきましょう。
ハウス テーマ 扱う事柄(ごく一部) サイン対応
第 1室 性格・健康 本人、若年、国家、国民 牡羊座
第 2室 自由に使えるもの 金銭、景気、GNP 牡牛座
第 3室 短期的な動き 知識、兄弟、マスコミ 双子座
第 4室 家庭 晩年、国土、気候、野党 蟹座
第 5室 目に見える結果 娯楽、子供、株、投機、露見 獅子座
第 6室 奉仕・病気 健康、部下、軍隊、労働争議 乙女座
第 7室 協力者 結婚、外交、同盟国 天秤座
第 8室 相続・死 死、先祖、海外経済、債務 蠍座
第 9室 長期的な動き 精神、遠方、貿易、投資 射手座
第10室 身分・地位 主人、政府、政策 山羊座
第11室 友人 社交、議会、友好国、国庫 水瓶座
第12室 見えないもの 障害、密約、犯罪、福祉 魚座
アストロの基本ということで3回に分けて説明してきましたが、かなり駆け足になってしまいました。しかしながら、基本用語の説明だけでも済ませてしまわないと話が先に進まないものですから、今後わからない言葉が出てきた場合はこれらの基本を読み返してみてください。詳細については、西洋占星術の基本書のご一読をおすすめいたします。(基本書については近々紹介する予定です。)